【DIY】太陽光発電自作 ソーラーパネル選定

太陽光

太陽光発電について自作を行なって行くに際して、今回はソーラーパネルの選定を行なっていきます。

選定を進める上でパネルの特徴、パネルに書いてある性能表記(開放電圧(Voc))等について、実際に選定したものを参考にしながら記載します。

今回、私が購入したものは単結晶シリコン系の110kWソーラーパネルになります。値段としては8,000円くらいでした。

ソーラーパネルにも色々種類や容量があるので目的や、チャージコントローラー・蓄電池サイズによって選定していく必要があります。

1.ソーラーパネル特徴

まず最初にソーラーパネルの特徴を記載します。

ソーラーパネルは大きく分けると、シリコン系化合物系有機系の3種類があります。

●シリコン系

  • 単結晶シリコン
  • 多結晶シリコン
  • アモルファスシリコン
  • HIT(ヘテロ接合型)

 

●化合物系

  • CIS/CIGS
  • CdTe
  • GaAs

●有機系(まだ実用化の域にない、、)

  • 有機薄膜ソーラーパネル
  • 色素増感ソーラーパネル

●シリコン系

[単結晶シリコン]

結晶が規則正しく並んでいるソーラーパネルであり、最初に開発されたソーラーパネルになります。シリコン結晶には高い純度が求められるため、製造コストが高いですが、発電効率が高いという特徴があります。ちなみに高温化では発電効率が落ちます。(25℃が最適)

[多結晶シリコン]

単結晶のように結晶が規則正しく並んでいないものになります。端材のシリコンや規格外のシリコン原料としているので製造コストが安いですが、単結晶よりも発電効率が低くなります。しかし、近年改良が進んでいて発電効率が単結晶に近づいていくと言われています。こちらも高温化では発電効率が落ちます。(25℃が最適)

[アモルファスシリコン]

アモルファスとは結晶構造を持たない物質の状態のことを指しています。こちらは高温化での発電効率の低下しにくいものになります。しかし、結晶を持たないことで原子が不規則になり通常時の発電効率が多結晶よりも低くなります。

[HIT]

パナソニックの開発したソーラーパネルです。単結晶よりも発電効率が高く、高温時の発電効率の低下も抑えられる優秀さですが、、、製造工程の複雑化により製造コストは高いです。

●化合物系

[CIS/CIGS]

銅、インジウム、セレンを原料とする化合物半導体で作られたソーラーパネルをCISと言います。そこに、ガリウムを加えるとCIGSとなります。シリコン系よりも発電効率が低めとなりますが、高温時の発電効率の低下は抑えられます。

[CdTe]

カドミウムとテルルを原料としたソーラーパネルです。高温時の発電効率の低下が抑えられたり、製造コストが低いという特徴があります。しかし発電効率は低めであり、またカドミウムが有害物質のため処分時が大変です。日本では製造しているメーカーはありません。

[GaAs]

ガリウムとヒ素を原料としたソーラーパネルです。シリコン系よりも発電効率が良く(2倍!)人工衛星等で使用されています。しかし、製造コストはとても高いという特徴があります。また、ヒ素が有害物質のため処分時が大変です。

●有機系(まだ実用化の域にない、、)

[有機薄膜ソーラーパネル]

有機半導体のpn接合を利用した光起電力効果で電気を作るとのことで、薄く軽量で、自由自在に曲げることができます。ソーラーパネルそのものに色を付けることができたりと応用もでき、製造コストを抑えることができます。現在研究段階の域を出ておらず寿命が短かったり、肝心の発電効率は今後を期待という感じです。

[色素増感ソーラーパネル]

植物界における光合成のように、光のエネルギーを利用して電力を生み出します。こちらも薄く軽量で、自由自在に曲げることができます。ソーラーパネルそのものに色を付けることができたりと応用もでき、製造コストを抑えることができます。現在研究段階の域を出ておらず寿命が短かったり、肝心の発電効率は今後を期待という感じです。

上記を独断で5段階で評価してまとめてみました。5が一杯あるのが能力的、コスト的にいいものを表現しています。

種類 名称 通常時の発電効率
5段階
効率高い5
効率低い1
高温時の発電効率
5段階
効率高い5
効率低い5
製造コスト
5段階
コスト高1
コスト低5
備考
シリコン系 単結晶シリコン 3 2 3 普及率が高い
シリコン系 多結晶シリコン 2 2 4 普及率が高い
シリコン系 アモルファスシリコン 1 3 4
シリコン系 HIT 4 4 2 パナソニック製
化合物系 CIS/CIGS 3 4 4
化合物系 CdTe 2 4 4 有害物質含む
化合物系 GaAs 5 5 1 人工衛星で使用
有機物系 有機薄膜ソーラーパネル
1 4 5 研究段階
有機物系 色素増感ソーラーパネル 1 4 5 研究段階

2.ソーラーパネル性能表記

ソーラパネルには以下の7についての記載が一般的にはあります。中には日本向けでないものに関しては表記方法が異なるものがありますが、今回は一般的な表記について見て行きます。

  1. 開放電圧(Voc)
  2. 短絡電流(Isc)
  3. 動作電圧(Vop)
  4. 最大電力時電圧(Vmp)
  5. 動作電流(Iop)
  6. 最大電力時電流(Imp)
  7. 最大出力(Pmax)

以下に参考にはる写真は今回選定したソーラーパネルの裏面表記の写真となります。今回私はパネルを楽天で購入しましたが、性能表記について書いてあるものを選び購入しました。しかし中には性能について書いていないものもありました。選定には必要な項目になりますので値段だけでなく表記があるものを選んだほうがいいです。

1.開放電圧(Voc)

「Open Circuit Voltage」の略で、ソーラーパネルの正極(+)と負極(-)との間の、何も接続しない状態の電圧のことです。ソーラーパネルから電流を取りださずに電圧計で測定した電圧の事。(単位:V)

ソーラーパネルの最大電圧ということになるので、開放電圧値を基にしてチャージコントローラーを選定します。ソーラーパネルの開放電圧を上回る入力電圧を許容しているチャージコントローラーを選べばOKです。パネルを直列で複数枚繋げていく場合はこの値も大きくなって行きます。

今回選定したものは21.6Vとなります。

 2.短絡電流(Isc)

 

「Short Circuit Current」の「I」(電流)ことを指し、ソーラーパネルの正極(+)と負極(-)とを短絡させたときの電流値をいいます。ソーラーパネルを電流計で測定した電圧の事。(単位:A)

電流はソーラーパネルの最大電流ということになるので、短絡電流値を基にしてチャージコントローラーを選定します。ソーラーパネルの短絡電流を上回る入力電流を許容しているチャージコントローラーを選べばOKです。パネルを並列で複数枚繋げていく場合はこの値も大きくなって行きます。

今回選定したものは6.6Aとなります。

 3.動作電圧(Vop)

ソーラーパネルの出力が最大になるときの動作電圧です。(単位:V)ちなみに、12Vのバッテリー(蓄電池)を充電する場合、パネルの最適な動作電圧は17~18V程度になります。

こちらの値は晴天時の瞬間日照度が最高のときの電圧値になります。

今回購入したものにはこちらの記載はなく次のVmpがありました。

 4.最大電力時電圧(Vmp)

まさに書いてある通り、最大電力を発生するときの電圧となります。動作電圧と扱いは同じです。

VopかVmpのどちらかは記載があるものを選ぶといいです。

今回選定したものは17.8Vのため、12Vバッテリー適応品ということになります。

 

 5.動作電流(Iop)

ソーラーパネルの出力が最大になるときの動作電流値です。(単位:A)

こちらの値は晴天時の瞬間日照度が最高のときの電流値になります。

今回購入したものにはこちらの記載はなく次のVmpがありました。

6.最大電力時電流(Imp)

まさに書いてある通り、最大電力を発生するときの電圧となります。動作電流と扱いは同じです。

IopかImpのどちらかは記載があるものを選ぶといいです。

今回選定したものは6.18Aとなります。

 7.最大出力(Pmax)

上記Vmp(V)×Imp(A)=Pmax(W)となり、ソーラーパネルの性能表記となる最大出力の表示となります。(単位:W)

今回選定したものは110Wのものになります。一時間に110W好条件ならば発電することになります。

3.今回選定したソーラーパネルの紹介

シリコン系単結晶タイプのソーラーパネルを今回選定しました。市場に出回っていて手に入りやすく、それでいて発電効率について適度にいい感じでコストも一万円くらいのものを選んだ結果そうなりました。

高温時の対応としては今回はコストの関係で見送りました。

今回選定したソーラーパネルについて先ほど画像を載せましたが、改めて能力やサイズ感について載せます。

開放電圧(Voc) 短絡電流(Isc) 最大電力時電圧(Vmp) 最大電力時電流(Imp) 最大出力(Pmax) 重さ サイズ(mm)
HxWxD
情報 21.6[V] 6.6[A] 17.8[V] 6.18[A] 110[W]±5% 6.1[kg] 1,000x670x35[mm]

値段とサイズと能力については満足のいくものを選べました。蓄電池については使用していなかった12Vの鉛蓄電池を取得済み(後程別記事にて書きます。)なので12Vに対応するものとして選定しました。

購入したソーラーパネルの様子を写真で紹介します。

梱包状況

ソーラーパネル前面

ソーラーパネル裏面

ソーラーパネル端子部分 ちなみにこの端子の規格をmc4と言います。

ちなみに楽天で9,680円でした。以下に参考までに購入したものを載せておきます。

 

なかなか借家なので屋根に設置というような広い設置スペースが確保できないのでベランダに1枚、2枚くらいで設置を行なって行きます。とりあえずはお試しなので1枚でやって行きます。

●まとめ

ソーラーパネルが発電量を決める上で重要なパーツとなります。値段についてもピンキリになります。

今回は大規模ではないのと、お試しの意味合いも大きいので値段についても1万以下で探しました。

人工衛星と同じパネルにも憧れはありますが、、、いかんせんどこで売っているのやら笑。後ぜったに高いでしょうし。

予算が許せば選んでもいいですが、おそらくそこまでの値段を出しても電気代でペイするまでには何十年とかかることが予想されるので個人で手を出すならば単結晶シリコンがおすすめとなります。

他の選定品や配線作業について今後記入して行きます。

それでは失礼します。

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